薄刃カッター
モールドヘッド・アイペイント用ヘッドをアイホールヘッドにカスタムする

薄刃カッターを使って、アイモールド・アイペイントタイプのヘッドをアイホールヘッドにカスタムします。
半眼など、好きな表情のアイにカスタムできます。
加工後のヘッドの処理も行ってみます。

モールドのない彩色用ヘッド(目の部分に凸凹がないためアイホールにしにくいヘッド) モールドのついたタイプのヘッド
 
手描きでアイホールの縁を描いてみます。鉛筆等、後で消せるペンを使いましょう。  
1/3サイズ・アイモールドヘッドのカスタム
目頭にナイフを入れます。 ドライヤーでヘッドを温めておくと軽い力ですっと切り込みが入れられます。 モールドの輪郭に沿ってナイフを走らせました。数分で終ります。 ヘッドのウィッグラインのあたりに切り込みを入れて、ヘッドを二つに割ります。
ウィッグラインに沿って切り込みを入れます。
ドライヤーで温めておくと簡単に切れます。
蓋を作ったところです。 ソフビヘッドの肉厚が分かります。ところどろこ斑が出て厚みが違っています。
アイホールの輪郭とホールの縁の厚みを見ます。
仮にドールアイを当ててみます。アイホールの縁が肉厚があるため、奥目になっています。
左も確かめます。 蓋を開けたヘッドの内側からアイホールの縁をドールアイの納まりがよくなるように斜めに削ります。 いろんなタイプのナイフを使って外から中から削り取ります。 先端が鎌型になっているナイフは目尻や目頭部分を削る加工にむいています。
削りながら、時々ドールアイを当てて見ます。 右(左目)は作業が終ったアイホールです。奥目感がなくなってきました。 上瞼にはアイラッシュ付け睫)を付けるため、仕上げは特に大事です。 小さいナイフで薄く削ります。
ナイフだけで加工しただけでほとんど違和感なく仕上がりました。   ドールアイを仮止めしているところです。  
1/3サイズ・アイモールドヘッドのカスタム
モールドのないヘッドに、鉛筆で輪郭を描きます。 輪郭に沿ってナイフを走らせます。 温めておくと軽い力で切り取れます。 最初は線の内側で余裕を見て切り込みを入れます。
線の外側に向かって、少しずつ切り込みを広げていきます。 0.38㎜のナイフは切れ味が鋭くて簡単に切れます。目尻や目頭はそのままナイフが走っていかないようにゆっくりと注意しながら切り込みます。 ヘッドの向きを変えて目の下部分も切り取ります。 輪郭線に沿って一通り切り取った後です。
モールドのあるヘッドと同様にアイホールの壁部分にナイフを入れて、ドールアイが奥目にならないよう調整します。 ナイフだけで仕上げたアイホールです。 内側から見ると、ドールアイの納まりがよくなるように、かなり切り込みを入れています。 ドールアイを仮止めしてみます。
1/6サイズ・小さなヘッドのアイホールカスタム

1/6サイズの小さいサイズのヘッドをナイフだけで削り取った後です。

少しガタガタしています。仕上げにダイヤモンドやすりを使ってみます。

1/3用ヘッド同様にウィッグラインをたよりにヘッドに切り込みを入れて中を開きます。

小さいヘッドは大きいサイズのヘッドよりもソフビの肉厚が目立ちます。アイホールの縁の切り込みが大事になります。

輪郭線の内側にナイフを入れてすっと走らせます。ドライヤーで温めておくとらくです。 あまり正確にならなくても線の内側であれば問題ないです。目尻と目頭の切り口に注意。 両目の切り口を輪郭線に沿って広げていきます。慎重に少しずつ輪郭線に近づけます。 多少凸凹が見えますが、大体出来上がりました。これから仕上げにはいります。

目の内側と外側からアイホールの縁を調整します。

細いナイフで慎重にやりましょう。 目尻と目頭は特に注意が必要です。 ドールアイにあわせて、縁を調整した状態です。ナイフだけの作業です。
 
アニメヘッドには大きめのアイが似合います。 目の縁と目頭、目尻に注意してカットします。 縁を全てカットしてアイホールができた状態です。微調整はこれからです。  
ウィッグラインを頼りに切り込みを入れてヘッドを開きます。 蓋を開いた状態です。
中から、外から、いろんなナイフを使い分けて縁をカットします。 刃先の細かいナイフで簡単に綺麗に調整できます。
ナイフ作業が終ったら、ヤスリをかけて滑らかにします。 アイホールの切り口の凸凹を外から内から削ります。ソフビは柔らかいためヤスリが効き難いのですが、ダイヤモンドヤスリは使いやすいです。 ドールアイを当てて隙間を確認しながら作業を進めます。ドールアイはピンセットでつまんであてがうと扱いやすいです。
5種類のヤスリを使い分けて仕上げます。 ソフビヘッドをつまんで、ヤスリをかけると扱いやすくなります。 目の縁の肉厚を落としていきます。 奥目にならないように縁を丸く削ると綺麗にドールアイが納まります。
 
大きいサイズのヘッドは小さいサイズより簡単に調整できます。   ほぼ仕上がりに近い状態です。  
溶剤でアイのカットラインを滑らかに仕上げます

ソフビの表面仕上げについて
普段いろいろに使っている道具類の中からソフビの削り加工カスタムで表面仕上げ用に使えそうな溶剤を探してみました。
ソフビはアクリル樹脂なのでシンナーには溶けます。画像に載っていませんがラッカー薄め液(ラッカーシンナー)とかも使えますが、匂いの強力なシンナー系の溶剤は苦手なので、なるべくソフトなものを選びました。
画面左からアクリル絵具用クリーナー(ホルベイン)、リムーバー(除光液)、アクリダイン(塩化メチレン)、アセトン原液、タミヤX-20A(アクリル塗料溶剤)、ミスターカラーうすめ液(シンナー)、ナガシマソフビカラー専用シンナーです。
アセトン、アクリダインはかなり強力ですが、専門のショップで手に入るものばかりです。
(シンナーというのは薄め液のことで、名前が同じでもそれぞれ成分は異なります。注意が必要です。)

X-20Aやリムーバーは溶剤成分をかなり控えめにしているのであまり効果はありません。他の強力な溶剤で表面を溶かした後に、仕上げに拭いて使うとテカテカ感をなくしてくれます。
アクリル絵具用クリーナーやアセトン、ソフビカラー専用シンナーはそんなに強力ではありませんが、時間をかければ表面の凸凹の処理に仕えそうです。
これらの中ではアクリダインが強力です。
アクリダインは元々がアクリル系の樹脂を溶かして接合させる接着剤です。主成分の塩化メチレンは毒性が高いようなので、取扱い注意です。東急ハンズ等で手に入ります。アクリルボード用接着剤のアクリサンデーの成分も同じです。
これらの溶剤をソフビに使うことの副作用や弊害については調べておりません。自己判断で参考にして下さい。実際に試してみられる場合、換気のいい場所で手袋やマスクを使うなど管理には充分注意して下さい。

目の輪郭と中だけでなく、外側もほんの僅か削ってみました。その削り跡を鑢だけでなく、溶剤で溶かして滑らかに仕上げます。 アクリダインを綿棒に付けて、縁、及び目の周りを拭いていきます。 目の縁だけでなく周りの削り跡も気にならない程度に滑らかになりました。アセトンや強いシンナー系の溶剤などでなめした後は、溶けたソフビがべとべとしたりする場合があります。
その場合は、除光液などでふき取るようになめすとベタベタ感や照かりがなくなります。
大きいサイズのヘッドは目の縁を細かく処理できるので作業が楽です。 アイホールの隙間がなくなって、滑らかなホールができました。 虹彩2㎜サイズの特殊アイです。